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ダーウィンがビーグル号航海中に読んでたライエルの『地質学原理』
憧れてた本を手に入れた
地質学は興味がある分野ではあるが、上下巻で1万円もする完訳はさすがに今更必要なくってよ
熟考の末、購入したのは、大久保雅弘による『地球の歴史を読みとく』で、まあ抄訳ではあっても全編256ページで、定価は¥4,700もする専門書だ(2千円弱で買ったけど)
2005年に古近書院から出てたものだが、著者の大久保雅弘は1923年生まれだから、かなりお年を召してから執筆されたようだ
あとがきの最後には、大学教授を定年退職後に地質学の古典の訳出に取り組み、完訳を出版できる準備は万端でも不景気に晒され叶わず、ライエルの抄訳のみが本になったとあった
『地球の歴史を読みとく』ライエル「地質学原理」抄訳
- 【序章】三枚の巻頭図は語る
- 斉一主義の着想と証拠
- 【第1章】地球には長い歴史があった
- 地質時代を発見するまで
- 【第2章】時代とともに気候は変わる
- いまよりも暖かかったころ
- 【第3章】地表の姿を変える水の流れ
- 河川の浸食と堆積作用
- 【第4章】陸地をけずる海水のはたらき
- 海の浸食と堆積作用
- 【第5章】大地を動かした根源は火成作用である
- 地球発展の原動力
- 【第6章】地震の痕跡あれこれ
- 知られていた液状化現象
- 【第7章】変異する生き物たち
- 生物界に起こった変化
- 【第8章】生物の拡散と死後の埋没
- 地理上の広がりと環境の変化
- 【第9章】珊瑚礁の土台は海底火山か
- 画期的な成因論の草分け
- 【第10章】第三紀をたずねる旅
- 地層の発見と標準層序の確立
- 【第11章】年代区分の尺度は化石である
- 標準化石は経験の産物
- 【第12章】後期鮮新世の代表はエトナ火山だ
- 火山の構造
- 【第13章】前期鮮新世の地層と火山岩
- 鮮新世を二分する
- 【第14章】ヨーロッパの中新世の地層
- 拡大した海域を追って
- 【第15章】始新世は盆地形成からはじまる
- パリ一盆地の層序
- 【第16章】第二紀およびそれ以前の地層
- 未調査地域が多すぎる
- 【第17章】第一紀の内成岩とその役割
- 深成作用と地殻変動
- 付録 原著の目次
- あとがき
進化論の父とも言われるダーウィンの『ビーグル号航海記』から、この本に辿り着いてる者がこの目次を見たら、【第7章】から読み始めたくなるわな
地質学で化石が扱われるのは当然だが、化石は生物の死骸があって形成されるのだからして、元の生物についても触れずにはおくまい
なんせ化石は地層によって変化するのだから、元の生物も変化してるはずなのだと考えるのは順当だ
しかしラマルクの『動物哲学』から数多引用しながら、生物は変異:mutation、転換:transform、転成:transmutationする、とラマルクは言ってるが間違ってるとしてる
これはライエルが矛盾に気付かなかったのか、あるいは気付いてても気付かぬふりをしたかったからか、とにかくそれ進化の現象じゃね?ってのを紹介しながらも、いや、違うからってしつこくくどく否定
でも読者は気付くと思う、多分ダーウィンもそうだったろう
それでも当時(ライエルやダーウィンの時代)は、キリスト教の教えを否定するような見解はご法度だったからね、ダーウィンはそれやっちゃって糾弾されたワケだけど